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「それでもボクはやってない」周防正行監督

  はじめ硫黄島からの手紙をみるつもりだったけど,時間の都合でこれに。…思いがけず、大成功!裁判モノは「12人の優しい日本人」(陪審員制度を扱っています。コメディなのに考えさせられるすばらしい作品です)以来でしたが勝るとも劣らないでしょう!題材は痴漢冤罪事件とその裁判について。26歳のフリーター徹平は就職の面接に行く途中の満員電車で女子中学生に痴漢に間違えられます。逮捕拘留されても否認を続け、あげく起訴されてしまい、法廷で争います。母や友人は徹平の無罪の主張を信じ、支援をします。そして判決は…

 色々書きたい事があるけれど,キャスティングが素晴らしい。役者が◎。特に印象的なのは主人公徹平役の加瀬亮と裁判官大森役の正名僕蔵。加瀬さんは時にイライラする位リアルで、次第に感情移入をしてしまった。主人公に感情移入できる映画は、文句なしに楽しい。正名さんは実は誰か分からず,この人を確認するためにパンフを買った。誠実な人柄の役ということがしっかり伝わった。本物の裁判官と言われても信じる気がする。2人ともこんなに良い役者だったとは!見たかいあり!!徹平の母役のもたいまさこさんの演技も心打たれた。こういうお母さんに育てられれば、痴漢なんぞできないでしょう。役所広司や山本耕史、瀬戸朝香、小日向文世、鈴木蘭々など達者な役者揃いで現実の法廷はさぞや…と思わせられた。とにかく「…この人はちょっと…」と思う役者が一人もいないという感じ。

 題材も良かった。法廷ものは面白いと感じていたが、裁判官、弁護士、検察のやりとりが淡々としつつもドラマをはらんでいる。検事や裁判官の多忙化(小説では中島博行の「検察捜査」などお勧めです。)は言われていますがそこにも問題点を含んでおり、興味深かった。(事件が多すぎる。どうしてだろう?これもまた、考え込む要素ですね)また、痴漢冤罪は最近も無罪判決が取り上げられるようになって「そういうのがあるんだ」程度には知っていたが、被害者の精神的な被害、加害者の卑劣さ、冤罪を受けたものの無念など、本当に考えさせられる内容。男の人は男の人であるだけで、このようなことに巻き込まれる可能性を持っているし、女の人は女の人でいつ被害者になるかも分からない…知人が冤罪に巻き込まれたら?山本耕史演じる達夫のように一生懸命に信じられるかな?

 ラストと司法修習生と裁判官・大森の会話シーンそして友人と母がびら配りをして目撃者を捜すシーンは秀逸でした。 

 とにかく見て損はしません!!

<MOVIE>☆☆☆☆☆「それでもボクはやってない」

  調べてみると正名さんは大人計画(松尾スズキ主宰で宮藤官九郎・阿部サダヲも所属している劇団)の役者さんだそうです。大人計画は見たことがありませんが松尾スズキのミュージカル「キレイ」(鈴木蘭々主演)は見たことがあります。正名さんは出ていなかったので知りませんでした…大人計画はコミカルな印象があったので、こんなシリアスな演技もできる方がいるというのは発見でした。一度見てみたいなあ。

つぶやき:劇場に貼ってあったポスター…なんとゲゲゲの鬼太郎が実写!?しかも主演はウエンツ。よく引き受けたなあ…猫娘・田中麗奈。似合うかもしれない。かわいいけど。砂かけ婆が室井滋でこなきじじいが間寛平…コメントのしようがない感じです。ある意味注目。

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