今週の読書「仏果を得ず」三浦しをん(07双葉)
題材は文楽。私は残念ながら文楽を見たことがなく、最初はなかなか入りにくかった。情景が想像しにくいのだ。しかしさすが伝統芸能。一旦入るとすごく楽しい。読みごたえのある作品だった。
笹本健太夫は文楽に青春をかける若手技芸員。大抜擢を受けたり、腕は一流だが気難しい三味線の兎一郎とコンビを組み、芸に励んでいる。プライベートでは、なぜかラブホテルにすみ、時に小学校に文楽の指導に行っている。小学生のミラに好かれたり、その母に恋をしたり、なかなか忙しい。
なじみがない世界だから視覚的にイメージがしにくいが、文楽の題材も古いながら普遍的なので、なかなか楽しめる。芸に生きる人の業も感じられるが、基本的には同じ世代の人間も携わっている。厳しい世界ながら共感もできるのだ。難しい題材を上手に料理している三浦さんの筆力に脱帽。
<BOOK>☆☆☆☆★「仏果を得ず」三浦しをん
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