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ひそかにアップ

 「突入せよ!連合赤軍あさま山荘事件」のDVDを見た。

 原作は佐々淳行。監督は原田眞人。

 原作本を読んだことがあったので、何気なく借りたが、これがすごく良かった。実話だがエンターテイメント性が抜群。やはり、実話の力はすごい

 まずは、リアルさに◎!原作自体の特徴が、すぐれた記録性と人間観察の力で非常にリアル。細かいことだが、「ソフト帽が似合う」丸山参事官はやはり帽子をかぶっていたし、黄身だけかける玉子ご飯、歯形のついた林檎・・・原作の記述が生かされている。その良さが見事に出ている。佐々氏自体が人間くさく、職務上は冷静であったのだろうが、パワーあふれる人物像。だからか、非常にドラマティック。また、個性豊かな警察官僚、警察官の姿が活写されていた。そのためか人間像が非常にリアル。個性的な人物も素朴で普通の人物もとんでもない状況に放り込まれて、その人間性が深く、見える。また、ロケハンが素晴らしかったのだろう。警察庁も軽井沢署もあさま山荘の立地もリアルそのもの。まるで、本物のようだった。また、キャスティングがすごい。特に後藤田正晴役の藤田まこと。しゃべり方から、風貌からそっくり。相当研究したと思う。藤田まことは名優だ。他には石川三郎警視正役の山地和弘。剛胆でまっすぐな人柄を活き活きと演じている。丸山参事官役の串田和美さんも素晴らしい。洒脱なナンバー2を重量感たっぷりに演じている。荒川良々の演じる機動隊員も良かった。名もない機動隊員だが、事件の発生から犯人検挙までかかわっている役で感動するセリフがあった。「パイプ爆弾怖くねえ?」「怖いよ。でも、誰かがいかなきゃいけないんだろう?だったら俺でいいんだよ。」こういうセリフをリアリティを持って言える人はそう、いない。そうそう、ひそかに上地雄介の無名時代もみられる。機動隊員の役だった。他にも豊原功補、松尾スズキ、天海祐希、伊武雅刀、宇崎竜童、篠井英輔など。音楽が好きだった。頭に残って良かった。そして、私は自分が群像劇が好きであることを実感した。主役は役所広司演じる佐々淳行だが、一人一人が丁寧に描かれていると感じた。

 DVDならではの特権で佐々淳行とプロデューサー、監督と撮影の方のコメンタリーが秀逸。特に、佐々氏のコメンタリーは素晴らしい。何せ、一人ひとりの機動隊員を非常によく覚えているのだ。特に負傷し鬼籍に入られた隊員のO氏のその後や映画公開前に癌で亡くなったN副隊長について語っていたのは、涙がこぼれた。死の床にいるN副隊長は生前は仕事のことをほとんど語らなかったそうだ。ある日孫に、過去の仕事を語ったそうだ。孫は「おじいちゃんはすごいことをした偉い人だったんだね」といったという。その言葉を聞いた数日後亡くなられたそうだ。事件の是非はその時代に生きていない私は述べられないが、命を懸け、ほこりを持ち仕事をした名もない人々の1500の物語があり、そのことこそが重要であると思う。佐々氏のコメンタリーにもその旨があり、感動した。世を支えているのは名もなき人なのだ。あさま山荘事件に関わった1500人の名もなき警察官たちをたたえたい。あなた方のした仕事に私はものすごく感動した。

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